読書

読書「バカの壁」養老孟司

旧N国党の比例投票の略称が「NHK」で笑いました。

 

ほいで

 

今回紹介する本は「バカの壁」養老孟司

評価 ☆☆☆☆★

 

かなり面白かったです。頭いい人ってこんな目線で世界を見ているんだな〜と。

本が今手元に無いので、記憶だけで印象に残っていることを書いていきます。著者の意図と違う理解をしていてもご愛嬌ということで・・・。

 

そもそもバカの壁とは何かっていうところですが、僕の解釈だと「わかっている」「わかったつもり」になっている事と、真実の間にある壁だと受け取りました。

「無知の知」。わからないという事をわかる事によって、はじめてこの壁の存在に気づけるのかなと思いました。

 

 

具体的な内容で印象に残っている事としては、脳へのインプットとアウトプットの話。

インプット→脳→アウトプット

この中で、脳の係数が+であるか−であるかでアウトプットが変わるのが人間の特徴といった内容で、要は脳次第(考え方)で結果が変わるといった事を数学っぽく分かりやすく解説してくれます。その中で脳の係数がゼロの人は無関心で、何をインプットしてもアウトプットが出ない。係数が無限大の人は、特定のものに依存していたり洗脳されている状態であり、インプットに対するアウトプットが異常に大きくなるという解説がとても面白かったです。

 

他には

昨今流行りの個性主義の話に関して、作者は皆が皆、他人の事を考えずに自分の好きなことをやるのが果たして個性主義なのかといった苦言。そして無理やり個性を出そうとしなくても、人間それぞれ違うからそれでいいじゃないか、それを受け入れていこうというお話。このへんでは現在の日本の学校教育の問題点や、教師が教師ではなくサラリーマン化していることにも触れていて納得しまくりの内容。

 

もう一つ

「万物流転、情報不変」の章も面白かった。

たとえば僕達人間って、10年前と今とじゃ肉体も考え方も変わっているはずですが、いつ何をしたっていう情報は変わらないですよね。そこを「人は変わらない」と勘違いしていて、例えば現状と過去の情報が合わないというのは、全くありえる話なのですが、そこを取り上げたりする傾向にあるという話。

極端にたとえると、ウサイン・ボルトに対して、ヨチヨチ歩きだという情報と合わないじゃないか!(※2〜3歳の頃の情報と突き合わせている)

と思う人っていないと思いますが、数年前は不真面目だったのが、急に真面目な性格になった事に対しては、変!おかしい!本当は不真面目なのを隠しているだけだ!!ってなりがちだと思います。(※数年で人が変わるのは全然ありえる話し)

「万物流転」

これは仏教の「諸行無常」に通じる事だと思いますが、「情報」とは相性が悪いという事を感じました。そもそも情報っていうのが、一方からの視点であったり、不完全という事。冒頭の「バカの壁」の内側の存在であることも忠告されています。

 

と、あとはちょっと過激目な事も書いていて、殺人者等に関しては脳を検査するべきといった内容。そこから犯罪傾向にある人の脳を解析して、犯罪を未然に防ぐことに利用するべきという意見。

これに関しては反対で、そもそも脳を解析して「理解したつもりになった」状態が怖いと思いました。これは著者が言う「バカの壁」そのものではないかと。

脳だけを検査してあなたは〇〇みたいな事は絶対に理解できないと思いました。もしやるならやはり真理テストやアンケート調査といったものが、よりその人のアウトプットに対する評価ができるんじゃないかと思います。しかしそこにも「バカの壁」が存在すると思うので、勝手な決めつけによる被害者が出ない事だけは注意しないといけません。

 

と、

ちょっと久しぶりに長くなっちゃいましたが、以上です。

ベストセラーになった理由も納得でした。

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