読書

読書「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス

看護・介護・保育等の社会に絶対必要なのに、給料が安い、末端員のリスクがデカい、客(患者・親)からのクレームがエグいって、もう誰もなりたがらないでしょう。経営陣はいくらでも替えがきくし、別にしょうが無いぐらいにしか思ってないでしょうが・・・。※ちなみに僕は関係ない職種です

経営者に使途の怪しい補助金を渡すんじゃなく、現場で働いている方々に税金を直接給料として振り込んでほしい。

っていうシンプル愚痴のコーナーでした。

ほいで

今回紹介する本は「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス

評価 ☆☆☆☆☆(5段階中5)

これはなかなかキツイ物語でした。タイトルからして恋愛物か青春物かなと思いましたが、実際は知的障害者が主人公の、感動という単純な言葉では表現できない、様々な感情を沸き立たせる物語。

主人公は知的障害者のチャーリー・ゴートン。

彼は障害者を多く雇っているパン屋で働いている32歳の男性。ある日、脳や精神を扱っている研究者に、本人や周囲の同意のもと「頭が良くなる手術」を施されます。

その後、先に動物実験の成功事例として「頭が良くなる手術」を受けて、他のネズミより頭の良くなったアルジャーノンに出会います。

はじめ、迷路脱出ゲームをアルジャーノンと競わされるのですが、チャーリー・ゴートンはアルジャーノンに手も足も出ない。

しかし、そこから初めは徐々に、加速度的にチャーリー・ゴートンは知能レベルが上昇して、最後は自らを手術した研究者達に対して、なんて頭の悪い奴らなんだ。といった境地にまで達します。

そしてその後・・・・・・

っていうのが話の大筋。

どこが読んでいて辛かったかっていうのは、チャーリーが徐々に賢くなるにつれて、自分がどれだけ周囲から笑い者にされてきたか、親からどれだけ酷い扱いを受けてきたのかをハッキリと自覚していく過程が辛い。

チャーリの母親は、自分の息子が障害を持っている事を受け入れられずに「教育やしつけ」で何とかしようとしますが、理解が追いつかないチャーリーは大きな心の傷をおってしまいます。結果として施設に預けられたのですが、息子は死んだものとして処理するし、それをチャーリーが理解してしまうのもキツかった。

あとは頭が良くなるにつれて、もともと持っていた純粋な心や笑顔が無くなっていく様子、周囲の対応の変化もとてもリアルで、著者が本人なのでは?と言いたくなるレベル。

著者本人もどうやって自分が書いたのか、そのときの自分に聞いてみたい的な事を書いてらっしゃいました。

物語りとして面白いのはもちろん、障害を持つ本人と、その親や周囲の方たちの気持ちに触れる事のできる、素晴らしい作品でした。

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