読書

読書「物乞う仏陀」石井光太

洗濯機の液体洗剤投入口と柔軟剤投入口、中が詰まってそうで直接かけたくなります。

 

ほいで

 

今回紹介する本は「物乞う仏陀」石井光太

評価 ☆☆☆☆☆(5段階中5)

 

悲惨。貧困&障害を抱える人々の生々しい生活環境

こうやって紹介するために、あらためて内容を思い返すだけでも、腹のそこに鉛がのしかかるような陰鬱な気分になります。本書は主にアジア圏における貧困と障害を抱える人達の現地取材をまとめた内容になります。

総じて言えるところとしては、社会保障が未熟な国では障害児が産まれた場合、面倒をみるために仕事をやめざるを得ず貧困に陥ってしまうパターンが多いということ。またお金が無いと子供自身がまともな治療を受けられないため、まさに詰み状態。

「貧困」だけなら色々な本や動画で紹介されることは多いと思いますが、「障害」という思わず目を背けたくなるような部分にスポットを当てていて、とても考えさせられる内容。といっても考えたところで、どうにもならないのではという絶望感を感じてしまうレベル。

韓国人旅行者と目撃した、ある村の水頭症の子供

著者が旅先で知り合った韓国人旅行者が取材に興味を持ったことで、ある日一緒に障害児がいるラオスの村を訪ねます。そこで見たのは庭に放置されている水頭症の子供。頭は肥大化しずっと同じ姿勢で寝ていたため、頭の形が変形して真っ平らになっている。

そこで著者と韓国人旅行者は医者に連れていきなさいと諭しますが、そもそもまともな治療ができる病院が無いですし、もちろんお金も無い。せめてもの施しとして病院まで交通費を渡しますが、そんなお金で一体何になるのか。

人の生活に土足で踏み込んで正論でまくし立ててる事が、本当に人の為なのか?ただの自己満足なんじゃないのか? とても考えさせられる場面でした。

接着剤のチューブをかじりながら、のたうち回る子供

個人的に子供の貧困は完全に「運」としか言いようがなく、本人には一切責任が無いと思っているのでかなりキツい内容でした。

ネパールの薬物汚染地域では障害者というのは「薬物中毒者」を主に意味するそうで、他国から持ち込まれたヘロインでまさに地獄状態。ストリートチルドレンもビニール袋に入った胃液や唾液の混ざったシンナーを吸いながら、高級ホテルの前にしゃがみこんでいる。そんな中に接着剤のチューブを咥えて、口の周りを黄色くしながら這いずり回る子供がいる。そんな子供を見て、案内人(ヘロイン中毒者)は「あいつが一番やばいな!」と高笑い。

本当に人間の事を書いているのかと絶句する場面。

四肢切断、臓器売買、売春。マフィアによる徹底的搾取

インドマフィアによる徹底的な搾取。ここでの「障害」は後天的障害がメインですが、なんと!金のために子供の四肢を切ったり内蔵をえぐっているという、まさに鬼の所業。

そこらへんにいるストリートチルドレンを拉致し足を切断。物乞いとして生活をさせて売上をかっさらって行く。逃げようとすれば殺す。助けようとした者も殺す。なかには睡眠薬で眠らされて、知らない間に臓器を摘出され売られる人も。

1〜5歳までの子供は物乞いの時のアイテムとして乞食に有料でレンタルとして貸して、5歳を超えると目をえぐったり、四肢を切断して物乞いにさせる。数人だけがマフィアの人員になったり、アラブのロリコン大富豪の性玩具になる運命との事。

本当に書いていて気分が悪い。

 

テレビではもちろん、ユーチューブですらも取り扱われる事の無いであろう内容の数々。海外ハッピー!日本は終わっている!みたいな価値観を見つめ直す事ができると思います。

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