味でビールの銘柄当てるのって普通なのか?難しすぎる。
ほいで
今回紹介する本は「運転者 未来を変える過去からの使者」喜多川泰
評価 ☆☆☆☆☆(5段階中5)
追い詰められたサラリーマンの前に、突如現れた謎のタクシー運転手
主人公は保険の営業マン。完全歩合制で働く彼に、ある日突然大量の契約解除が襲う。家庭では何も知らずに海外旅行を楽しみにしている妻、引きこもってしまった娘。どうすれば良いのかお先真っ暗だと思っていた時、突然現れた一台のタクシー。
言われるがまま乗り込むと、その運転手は主人公の置かれた状況、過去、そして未来までを見通す謎の力を持っている事が判明。
「今どこに行くべきなのか」を運転手が判断しそこに連れて行く。その先々で起こる出来事により主人公の運命は大きく変わっていく。
不機嫌は運が離れる
「今どこに行くべきなのか」を的確に把握している運転手。しかし、いい場所に行っているはずなのに中々良いことは起こらない。それはなぜか
運が転ずるところに行っても、本人がその運を掴まない事には何も変わらないから。ではどうやれば運を掴む事ができるのか。
運転手のセリフ
「『不幸なことばかり起こるのに上機嫌になんてなれるわけないだろ!』って。そうじゃないですよ。基本姿勢が不機嫌な人に、毎日の人生で起こる幸せの種を見つけることなんてできない。ただそれだけです。」
誰しも不機嫌な人に話かけたくないですし、良いことと言うのは必ずしも今すぐに芽が出る事とは限らない。しかも些細な事が自分の理解を超えた事につながる事もある。
そんな事を運転手から言われて、主人公はすこしずつ態度を改めていきます。
運は貯めて使うもの
ここらへんはとても納得させられました。
運とはこれまでの努力や行いから生まれるという事。しかもそれは他人のために尽くして見返りを求めないほどドンドン溜まっていくというもの。そしてその運は決して自分だけが使えるというもではなく、人から貰ったり自分の子供達や周囲の人たちに渡す事ができるということ。
こんなスピリチュアル的な話は嫌いですし、僕の説明だと色々と語弊を招くかと思いますが、本書でとてもわかり易い例えがあったのでご紹介。
日本の高度経済成長、衣食住何不自由なく暮らせるようになったのは、戦争中に食べたいものを我慢し重火器が頭上を飛び交う中、次々と死んでいった人たちが「運」を貯めてくれたから。そしてまた次の世代も、その次の世代に対して運を貯めていってあげる。自分という者は壮大な何かのほんの一部分だと認識すること。
って、余計わけわからない説明ですが、このへんは是非一読して頂きたい場面。
本当のプラス思考
これもちょっと感動。
運転手「考えても見てくださいよ。自分の人生にとって何がプラスで何がマイナスかなんて、それが起こっているときには誰にもわかりませんよ。どんなことが起こっても、起こった事を自分の人生において必要な経験に変えていくというのが〈生きる〉ってことです。だから、どんな出来事だってプラスにできますし、逆にどんな出来事もマイナスに変えてしまうことだってできる」
要はこれから起こる事に対してではなく、起こった事をどうプラスに考えるかが本当のプラス思考という考え方。かなり納得の説明。
等々、「夢を叶えるゾウ」感満載
名著「夢を叶えるゾウ」みたいな構図で、ツッコミと返しが面白くテンポよく読める作品でした。運が悪い悪いとテンションガタ落ちしがちな自分に、ハッと気づきを与えてくれる作品でした。