読書

読書『「いい家」が欲しい。』松井修三

Z世代って、ドラゴンボールZをリアルタイムで見てた世代のことじゃなくて?

 

ほいで

 

今回紹介する本は『「いい家」が欲しい。』松井修三

おすすめ度 ☆☆☆☆☆(5段階中5)

 

めちゃくちゃ勉強になる。マイホーム購入を1mmでも考えてる人は必読!

そもそもこの本を手に取ったのは、故郷の奄美大島に良い賃貸物件が無く、最悪購入も考えないとアカンな〜と思っていたから。中古物件も築30年以上の戸建てを、ちょっとリフォームしただけで2〜3千万円で売ってるけど、家に対する知識が無いので、それがどれだけ正当性があるのかすらわからない。

という何がわからないかわからないレベルの人でも、1から10まで教えてくれる良書。今まで家っていくらで買って何年でローンを返すとか、耐用年数がどれぐらいだとか表面的な事しか考えてませんでしたが、目からウロコな事が沢山書いてあり、「家造りって奥が深くて面白い!」と思わせてくれます。

逆に言うと、本書内にも書いていますが既に建ててしまった人は読まない方が良いかもレベルです。

いい家を作るための3大条件

本書によると大事な選択事項は次の3つ

①家の構造を何にするか

木造か鉄骨かコンクリートか。

本書では日本特有の多雨多湿、寒暖差に適応するのは木造一択であるとの事。木には水分を吸ったり吐いたりする調湿機能、高い熱容量により温めにくく冷めにくい保温効果等々、木造建築のメリットが多く紹介されています。

②断熱の方法をどうするか

この章はめちゃくちゃ読み応えがありました。「断熱剤で四方八方塞げば良いやんけ」と思っていましたが、これだと家がビニールハウス状態になり、温度差による結露で腐食やカビが発生するとの事。

断熱と気密と換気という相反する必要条件をどうクリアするのか、なぜそれらが必要なのかが紹介されています。

カビの出る家、壁や床がめちゃくちゃ冷たい家、屋根の熱が直にくる家、これらは環境のせいだからしょうがないと思っていた節があるのですが、これらが断熱・気密・換気で改善されるという事実に驚きました。これらは直接家の寿命にも影響するので、めちゃくちゃ大事。

本書では最適解として後述するカネカのソーラーサーキット工法を推奨しています。

③依頼先はどこにするか

大手ハウスメーカーか、設計事務所か、地域の工務店か。

家を売るためにあれこれ仕掛けてくる罠、家を購入する側がどういった心持ちをすべきか等々を紹介してくれています。

例えば住宅展示場の家で、換気が悪いのを隠すために扇風機全力運転の窓開放状態になっていたり、30年保証!というのが建造物としての保証であって、暑い寒い、カビが生える等の住み心地は環境要因なので仕方なしとして保証していない等々。

本書では「地元密着の信頼できる工務店に直接依頼」をオススメしています。

カネカのソーラーサーキットが凄い

断熱・気密・換気のすべてを兼ね備えたカネカ社のソーラーサーキット工法。あまりの快適さに外で雪が降っても気づかなかったり、暑い日には冷房がついているんじゃないかと錯覚するレベル。メーカーのサイトで詳しく見てみると、理にかなった面白い(凄い)構造でした。外張り断熱+2重通気構造がポイント!

この辺は著者があまりにもオススメしたため、メーカーの回し者じゃないか?という批判を多く受けたそうですが、全く繋がりはなく著者が納得したのがこの工法だけだったというだけのお話のようです。

残念なのは取り扱っている工務店が限られているという点。イコール展示場数も少ないので実際に体感することが難しい。

等々、本書にはメリットばかり書いていますが、ネット上ではもちろん賛否両論あり。

でも致命的な欠点や批判は無いと感じます。

カネカ ソーラーサーキットの詳細はこちらをクリック

 

↑ネットで調べると、これがさらに進化?した「涼温な家」というのもあり、作者が作ったいい家をつくる会でも紹介されています。

 

奄美でも作ってくれ〜〜〜

 

造る人と売る人の違いがわからないなら家造りはするな

これは本書内でグッときた名言の一つ。説明不要ですね。

忖度排除の自費出版!著者の家造りに対する情熱に感動

首尾一貫、著者の「いい家」作りに対する情熱や、現状を嘆く姿に感動すら覚えてしまいます。ここまでハッキリ、真っ直ぐだと叩かれるだろうな〜と思っていたら、案の定多方面から叩かれまくっている。しかし、それらに対し納得のできる理詰めで反論しているとろこもグッとくる。こんな職人さんカッケー!こんな人に作ってもらいたい!と思わせてくれます。

 

とまぁ

そんな金無いので賃貸で暮らしますが、賃貸物件に対しても「この家やばそう」等の目利きができるようになると思います。

「家」は持ち家だろうが賃貸だろうが一生の多くを過ごす場所なので、是非この本を一読して「いい家とはなにか」を知る為の試金石になればと思います。

 

以上

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