ハンターハンター再開が嬉しすぎるけど、誰が何してんの状態。
ほいで
今回紹介する本は「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」フィリップ・K・ディック
評価 ☆☆☆★★(5段階中3)
舞台は最終世界大戦後の地球
舞台は、誰が仕掛けて誰が勝ったのか(厳密には戦争に勝者はいない)すらわからない、放射能の雨が降る未来の地球。多くの地球人は火星へ移住し、アンドロイドを買い奴隷にして暮らしている。地球には火星に行くことが不適合とされた障害を持つ人間達や、自分の意思で残る事を決めた者たちが残されている。
主人公は賞金稼ぎ
ある日、火星から8体の高性能アンドロイドが、奴隷から抜け出すために人間を殺して地球に逃げてきた。この事実が大衆に知れ渡らないように、警察は極秘でバウンティーハンター(賞金稼ぎ)に処理を依頼する。主人公は前任者がその高性能アンドロイドに瀕死の重傷を負わされたため、後任として仕事を任されることになる。
生き物を飼うのがステータス
主人公のモチベーションは「生きた動物を飼うこと」。は?と思いますが、この世界では放射能の雨によって生物はほぼ全滅したので、超貴重な存在。より大きな生き物を飼う事が何よりも自慢できる事であり、自尊心も満たされる事。
中には見栄をはるためにロボットの生き物を買って、近所の人にまるで飼っているかのように見せるということまでやる始末。主人公もこの一派で、自宅にロボットの羊を飼っており、いつか本物の生き物を買いたいと思っていたところに今回の高性能アンドロイド狩りの依頼が。
超高性能アンドロイドとの攻防
今回火星から逃げてきたアンドロイド(人間型ロボット)は、超高性能で外見からではわからず、専門家がある特殊な検査をしないと判別ができない。しかも、その判別方法で本当にアンドロイドか100%見分けられているのかすら怪しいというかなり危うい状況。確実に確かめるためには、手術台に乗せて骨髄検査までしないといけない。
あまりに高性能すぎるため、主人公は人間とアンドロイドの区別がわからなくなり「自分もアンドロイドなのでは?」という疑念すら抱く。
こんな中でどうやってアンドロイドを識別し始末していくのか。王道SFっぽくて面白いです。
私見
理解が難しい部分がある
SF小説にこんな事言うのも酷ですが、ちょいちょいこの世界に出てくる物や概念のイメージがわかない部分がありました。何度か読めばわかるかもしれませんが、1回ではちょっとキツイかも。
一番大きな例をあげると、人間たちがある装置を頭につけて、全人類と同化し謎の共有体験をするというもの。結局何が目的でこれによって何が引き起こされるのか理解ができませんでした。この不思議さがいい味なのかもしれませんが。
ストーリーは面白いけどエンディングがよくわからない
重複しますが、ストーリー自体は王道SFっぽくて面白い。ただビックリするような大どんでん返しや、ジーンとくるようなシーンはあまりなかったかも。
エンディングも、え?ここで切れるの?って感じでヌルっと終わり、結局何が何だったのかよくわからなかったです。
っていう、これが作者の世界観と言われればそれまでですが、あくまでボク個人の感想としてはこんな感じでございます。
随分、昔(確か高校生の頃)に読んだので記憶が定かではありませんが、概ね、仰せのとおりですね。
謎の共有体験は今で言うところのメタ・バースですね。
妙なエンディングも次作と言うか、シリーズを狙っていたのではないかと当時は感じていましたが、次作は出てこないで、ニューロマンサーとかロードランナーとか出て来ちゃって、機会を逸したのかもですね^_^;
ロードランナー→ブレードランナー^_^;
コメントありがとうございます。メタ・バースといわれてしっくりきました。
まさにですね、わかりやすい説明ありがとうございます。
シリーズ狙いではという視点も、確かにそれなら納得いきます。
解像度が一気に上がりました、ありがとうございます。