揚げ物時、油の温度調節が難しい。
ほいで
今回紹介する本は「億男」川村元気
評価 ☆☆☆☆★(五段階中四)
ある日宝くじに当選した主人公が、友達にお金を持ち逃げされる。
主人公は「イイ奴」で弟の作った借金3000万円の肩代わりをしてしまう。そのことがキッカケとなり家庭は崩壊し昼は図書館の司書、夜はパン屋で働く生活。そんなある日、商店街のくじ引きで当たった宝くじ抽選券が一等の三億円に当選。
どうしたら良いかパニック状態の主人公は、友人に相談を持ちかける。
が、
飲めや踊れやのどんちゃん騒ぎの翌朝、三億円とともに友人が消えている。
果たして友人は見つかるのか?消えたお金は取り戻せるのか?
かつてその友人と会社経営をともにした人達に手掛かりを求めて動き出す。
金とは何か、金に狂わされた人達との接触
金をもって消えた友人の、かつての共同経営仲間にコンタクトを取っていく主人公。そこには金で人生を狂わされた人達が。とは言っても金をもちすぎて狂わされた人達であり、そんな人の話しを聞きながら「金とは何か」にも考えさせられる事になる。
・数億円をタンスに隠し、夫にバレないように生活する主婦
・賭けても賭けても勝ってしまう男
・怪しいセミナーで金を巻き上げる男
彼らが金のせいで、どのように人生が狂ったのか。金に対しどのような思いをもっているのか、あくまで空想上の人間達ですが絶妙にリアリティがある。
私見
ドラマ感強めで物語としては面白い
実際にドラマ化されており、内容的にもわかり易くテンポが良いので、楽しく読めました。
金に対する矛盾行動
金に狂わされた人達に会っていくのですが、その人達は全員金を憎みつつも大金を持ち続けているという矛盾を抱えていると感じました。個人的な意見としては本当の金持ちは金を喜びや憎悪の対象ではなく、あくまで手段や道具としか考えないはず。
この辺は実際の金持ちではなく、空想上の金持ちの意見なので、あまり鵜呑みにしないように読んだ方がいいと思います。
金が起こす地獄絵図感が弱い
「カイジ」「闇金ウシジマくん」「ナニワ金融道」等の金を巡る地獄絵図漫画を読んでる身としては、ちょっとキレイすぎると感じました。
タンスに数億円隠し持ってる主婦なんてそもそもその事を人に教えるわけがなく、疑心暗鬼で精神おかしくなると思うし、賭けに勝ちまくってる人も見当違いの謎の恨みを多く買ってるはず。
ディズニーランド的なファンタジーだと思ったほうが良さそう。
我ながら難癖つけるのは罪悪感ありますが、あくまで個人の感想ということで宜しくお願い致します。