関東への逆島流し時に始めた読書感想文。内容の整理になるのと釣りに次ぐ趣味ということで、今後も継続していきたいと思います。
とはいえ、ここ1〜2ヶ月ドタバタだったので1冊を読み終えるのに相当時間が掛かりました。特に今回読んだやつは、内容も濃かったので咀嚼するのに時間が掛かっちゃいました。
「良い戦略悪い戦略」リチャード・P・ルメルト
評価 ☆☆☆☆☆(5段階中5)
期待を上回る面白さでした。
悪い戦略とは
空疎である
・華美な言葉や不必要に難解な表現を使い、高度な戦略思考の産物であるかのような幻想を与える
重大な問題に取り組まない
・見ないふりをするか、軽度あるいは一時的といった誤った定義をする
目標を戦略と取り違えている
・単に願望や希望的観測を語っている
間違った戦略目標を掲げる
・重大な問題とは無関係だったり、実行不能であれば間違った目標といわざるを得ない
良い戦略の基本構造
診断
・的確な診断は、単なる状況説明では終わらず、どのような行動が必要なのかを自ずと示すことができる。
基本方針
・ちょうどガードレールのように、基本方針は行動を一定の方向に導き逸脱を防止する。しかしこまかい内容は指示しない。
行動
・戦略は行動につながるべきものであり、何かを動き出させるものでなければいけない。
そもそも戦略とは
戦略とは仮説である
・科学と似ていて、ビジネスの世界の戦略も既知の領域と未知の領域のはざまに存在する。科学者が知識の限界を超えようとせず、手持の知識の範囲内にとどまるなら、なんの不安も苦労も無いだろう。
私見
・経営だけではなく、部活から戦争にまでに活かせる考え方だと感じました。印象に残った言葉として「第一感を疑う」の節において「大統領が戦争すべきかどうかを一瞬で判断していいだろうか。企業のCEOが買収すべきかどうかを、データ分析もせずに決めていいだろうか」との言葉。
昨今、直感やフィーリングは人間の第六感が働いていて正しい事が多いみたいな風潮があり、考えすぎる人や慎重な人にはネガティブな印象がありますが、それに対する違和感をうまく表していると思いました。その他にも「成長拡大する事自体が戦略」みたいな誤った戦略に対する論理的解説も面白かったです。
内容が汎用性高すぎて、是非おすすめしたい内容でした。
良書です。
孫子の兵法やクラウゼヴィッツの戦争論も良いですが、更に内包と外延を繰り返し、残る単純な公理を現代風に表現したもので、仰せのとおり、汎用性が高いですね。
ただ、この公理を適時適切に応用できないのが人間であり、ミネルヴァの梟に例えられる所以ですね^_^;
クラウゼヴィッツ、ミネルヴァの梟。知らなかったのでググりました。笑
大変勉強になります。ありがとうございますm(_ _)m