読書

読書「銃・病原菌・鉄」

奄美の公共交通機関が利用しやすくなったら渋滞緩和、高齢者の運転リスク回避、排気ガス減少による自然保護、飲酒運転撲滅、運転できない観光客も来やすくなる。と思ふ今日この頃。たとえば観光地循環バスとか全島乗り放題券とかもアリよりのアリ。ざっくり問題点は交通インフラ、収益化、税金投入した場合の不公平感。誰かよろしくお願いいたします。(絶対面倒くさい)

 

ほいで

 

今回ご紹介する本は『銃・病原菌・鉄』ジャレド・ダイヤモンド 倉骨彰=訳

面白かった度 ☆☆☆☆☆(5段階中5)

 

分厚くて上下巻あるので尻込みしちゃいますが、めちゃくちゃ面白い。

 

世界はなぜ今のような格差や不均衡が生まれたのか、なぜヨーロッパが発展してアメリカ大陸のインディアンは虐殺されたのか。アメリカのインディアンがユーラシア大陸を『発見』できなかったのはなぜか。

氷河期が終わってアフリカ大陸から各地に進出した人類はどのように言語、技術、文化が伝達・侵食していったのか。といった内容です。

作者は人種による能力の違い、例えば白人は脳が発達していてアフリカ原住民は劣っているとは考えておらず、どちらも同じ猿から進化した人間でありここまでの差が生まれるのはもっと大きくて根本的な理由があるという視点から論理展開しています。

なぜヨーロッパ諸国がリードしてアメリカ大陸を征服できたのかは結論として大きく

・ユーラシア大陸が横に長かった事が農作物、家畜の伝搬に有利に働いた

・アフリカやアメリカ大陸は縦長だった事が諸事の障壁となった

・肥沃な土地がたまたまあった

・カロリーの高い作物、家畜となりえる動物がユーラシア大陸にたまたまいた

・家畜由来の病原菌に対する免疫を獲得していたヨーロッパ人が、当初意図せず病原菌を撒き散らした(後に意図して撒き散らす事もあった)

・農耕の発展によって定住生活が可能となり、子供を産み育てやすくなった事による人口の増加。

・人口増加、余剰食料が確保できた事による政治家、軍隊、他各専門職人の誕生。

 

よくありがちな人種による違いや宗教の違いによるものといった視点ではなく、『土地の形』が全ての根本原因とする内容は衝撃的かつ納得感も十二分でした。

なかでも激アツシーンは、スペイン軍のフランシスコ・ピサロがアメリカ大陸原住民であるインカ帝国のアタワルパ一行と遭遇したシーン。世界の運命を大きくかえたこの予期せぬ遭遇と、そこで起こった少人数であるスペイン軍によるインカ人の大量虐殺と征服手法。そして実際にはその後アメリカ大陸に蔓延した病原菌による死者のほうがはるかに多いという事実。おっと、詳しく書くとながくなっちゃいますのでこのへんで。

 

個人的に思ったこと(箇条書きで失礼)

・日本人が書いたのか?というぐらい和訳が素晴らしく読みやすい。

・神視点で人類の発展を眺めている感覚になっちゃう

・農耕民族が狩猟採集民族を圧倒する論理が目から鱗。

・病原菌おそるべし。おそるべしすぎる。

・なぜ奄美大島が琉球王朝のように発展しなかったのか、なぜ薩摩に対抗できるまで発展できなかったのかといった事にもあてはまると思いました。

 

ってな感じです。

あと、まじでたまたまですが読んでいる最中にロシアによるウクライナ首都への侵攻がはじまりましたが、この本で得た世界中で起きた侵略・独立の歴史を考えた場合、不吉な結果が予測されてしまいます。ある哲学者が言った「人間は過去から何も学ばないということを学んだ」という結末にならないように願うばかりです。

 

ロシア、中国、アメリカに囲まれた日本。

どうなることやら・・・。

コメントを残す