真下を見ながら歩道の真ん中を歩いてる人最強すぎる。不可避不可避。
ほいで
今回紹介する本は「遺言。」養老孟司
おすすめ度 ☆☆★★★(5段階中2)
特に一つのテーマについてではなく、日頃考えている事をあれこれ語るといった感じ。遺言ってぐらいだから、これまでの人生についてや死生感について語るかなと思っていましたが違いました。まぁこれは僕の勝手な期待ですし、章節を読めばわかった話しですが。章だけを紹介すると以下の通り
一章 動物は言葉をどう聞くか
二章 意味のないものにはどういう意味があるか
三章 ヒトはなぜイコールを理解したのか
四章 乱暴なものいいはなぜ増えるのか
五章 「同じ」はどこから来たか
六章 意識はそんなに偉いのか
七章 ヒトはなぜアートを求めるのか
八章 社会はなぜデジタル化するのか
九章 変わるものと変わらないものをどう考えるか
終章 デジタルは死なない
こんな感じで著者が普段考えている事を吐き出したっていう感じ。とはいえ、東京大学名誉教授である著者の思考に触れられるという点では価値あり。後半の時空に関する話し等々、難しすぎてあんまりよく理解できない部分も多々ありますが「こんな難しい話しを読んでる俺って凄いんじゃないか?」という気持ち悪い自己満足に浸る事ができます。
一応僕がグッときたところを紹介しますと
2016年7月に神奈川県相模原市の障害者施設で起きた19人殺害事件に関して、犯人の動機が、その人達が生きている意味がないと判断したことについて。
その裏に、全てのものには意味がなければいけないという思想と、さらにその意味が自分にはわかるはずだという心理が隠されている事を指摘。これに対し著者は自分がわからない事を「意味がない」と勝手に決めてしまうことに問題があると一刺し。
たしかに
自分がわからないものに対して人は「自分の理解が及ばない」とは考えずに、その対象なり人が間違ってるだの意味がないだのと考えがち。
あとは
AIと人間が将棋や囲碁をすることに何の意味があるのか?人間とバイクが競争しているのと同じ。みたいな意見も共感しました。
本来人間対人間の知恵比べ、もとい遊びみたいなものですが、AIには絶対勝てないから人間がやる必要が無いという未来が来るのでしょうか。
と、SFといえないような近い未来に対しての意見等々も面白かったです。
本書はちょっとテーマがあれこれすぎるので、次はこの著者の代表作である「バカの壁」でも読んでみようかと思いました。