サウナにマスクつけた人が入ってきて驚いたのもつかの間、十秒ぐらいで出ていった。
人体実験?罰ゲーム?おばけ?
ほいで
今回ご紹介する本は「洗面器でヤギごはん」石田ゆうすけ
世界9万5000km 自転車ひとり旅の第三章
本書では主に各地で食べたものと、その時の状況が詳しく紹介されています。
トータルで91箇所分紹介されていますが、個人的にグッときたところを2つ紹介
極彩色のケーキ
これは一発目にアラスカで食べたケーキですが、壮大な大自然とは対照的に人口着色料マックス、甘さマックスのケーキを白人のキャンパーにご馳走になったお話し。
なんとか口に押し込んで食べたとのことでしたが、相手の好意を無下にしたくないという
気持ちで、口に合わないもの無理矢理食べるのってかなりシンドイやつ。
著者的には先が思いやられるスタートですが、読者側としてはナイス出だし。
あと食事とは関係ありませんが、気になったところがこのキャンプ場の川に
キングサーモンが泳いでいて、近くに貸竿屋があったこと。著者は釣り好きらしく
イクラをエサに挑戦したらしいですが、見向きもされなかったとのこと。
というのも遡上中のサーモンは餌を食わないらしいからです。
じゃあ時期ずらしたら釣れるの?面白そう!
アラスカへのあこがれであるオーロラに、キングサーモン釣りがプラスされました。
フエゴ島のマス
アルゼンチンのプンタアレナスという町から船でアクセスするフエゴ島での話。
森の中の小さな川でルアーを投げたところ、川底で巨大な影が動く。正体は銀化した
ブラウントラウト。1時間で60cm前後を4匹釣ったらしいですが全てリリース。
後日、宿で知り合った四人のバイク旅行者と再び釣りに行き、20~30センチのマスが
入れ喰い状態。今回はその場で火をおこし炙り焼きにし食べる。なんて羨ましいんだ・・。
そして同じ種類のマスなのに7、8匹に一匹「アタリ」の個体がいたらしく、とんでもなく美味かったそうです。これは個人的にとても興味深い内容でした。同じ場所、同じ魚なのになんで味が違うんだろうか。
とまぁ、本書にはパタゴニアの川にはニジマスやブラウントラウトが養殖場のようにうじゃうじゃいると紹介されていて、僕の憧れリスト入を果たしました。
っと、ここまで結局釣り絡みの項目ばかりをピックアップしてしまいましたが 他に
・寄生虫だらけのマグロ
・生クリームといちごジャムののったライス
・蛇の生き血
・アフリカの衛生面的に心配な食事の数々
・タイの昆虫食
・犬肉
等々、正直絶対そんなの食いたくね〜って物が多々ありますが、これが文化の違い。
衣食住のうち、衣と住は視覚で大体その国の感じを掴めるかと思いますが、食に関しては見て、触って、嗅いで、口に入れる
という工程を経ないといけないので情報量が桁違い。腑に落ちるという文字通り内蔵まで落とし込まないといけない。
むしろその国の食を通じてはじめてその国の人、文化を理解できるのかもしれません。
著者も行く先々で「美味しい!」というと、現地の人の表情がやわらぎ、距離が一気に縮んでいるように見えました。
日本人ももし納豆を美味い美味いって食う外人がいたら、「悪いやつでは無さそうやんけ」と思うと思います。
とはいえ、テーブルに犬の糞がのってるレストランで食事はしたくない。※このレストランはさすがの著者も逃げたそうです
面白くもあり、僕はここまでチャレンジできるだろうか・・という謎の対抗心?嫉妬心?が湧いてくる。そして多分無理。不味いは許せるとして衛生面はちょっと・・・
後半は日本に近づくにつれてウドンやソバが出てきたりと、食の変化で日本が近づいてくる
事を感じさせられたそうです。
そしていよいよ日本の地!となると、達成感というよりは終わってしまった・・という哀愁を漂わせながら締められていました。
第一部、第二部には無い生々しさがあり、とても読み応えがありました。