読書

読書「上級国民 下級国民 やっぱり本当だった」橘玲

うらのうらは、おもてではなくわん。

※島外出身でわかる方はかなりツウです。

 

ほいで

 

今回紹介する本は「上級国民 下級国民 やっぱり本当だった」橘玲

おすすめ度 ☆☆★★★(5段階中2)

 

数年前に池袋で元高級官僚のおじいちゃんが車で暴走し母子が死亡。通常なら即逮捕と思うのですが、なぜかその後もずっと逮捕されない事でトレンドとなった「上級国民」というワード。

 

この現代において、そんな身分制度的な事まじであるの?

 

とうっすら思っていたのと、著者の解説がわかりやすいので買ってみました。

この本によると、当時元高級官僚のおじいちゃんは高齢の上に骨折で入院していたから逮捕されなかった。「容疑者」ではなく「さん」づけで呼んでいたのは、逮捕や指名手配された場合にしか「容疑者」と呼べないからという現行法の決まりのためだという事です。

でも国民感情的には受け入れられるわけもなく「上級国民、下級国民」というワードが流行ったという経緯。

 

結論からいうと、この本でいうところとしては身分的差別の有無はあまり触れられておらず、自由主義社会による収入格差や学歴格差が今後さらに拡大していくといった内容。

中流が崩壊し上流と下流に分断されていくという表現もされています。貧乏はもっと貧乏に、金持ちはもっと金持ちに。そのロジックと現時点で起こっている出来事を交えて紹介されています。

 

格差うんぬんのところではありませんが、何点かあげますと

①コロナ前に日本への外国人観光客が右肩上がりだった理由は、他の国が経済成長して「日本が安く手軽に旅行できる国」になっただけ。

・これに関しては100%そうだとは思いませんが、円安やデフレが進めばさらに観光客は増えるよな〜とは思いました。その点だけ考えるとまぁ一概に悪いことでは無い気もします。

 

②最低賃金を上げると若者の新規採用が減る。

・最低賃金を上げるとまっさらな新人を採用するより、経験者を優先して採用したほうが経営者はデメリットが少ないので若者の新規雇用が減るといった内容。これに関しては僕は業種によると思っていて、たとえばマックなんかはマックジョブという言葉があるぐらいシステマチックに運営されているので、むしろ覚えのはやくて動ける若手が積極的に採用されると思っています。やはり「若さ」という資本はでかいと思っているので、搾取されないように例えば業種別の最低賃金設定なんかがアリなんじゃないかなぁ〜と思いました。(←いや、これも差別になるのか?)

 

③著者はベーシックインカムは破綻するとの意見

・ベーシックインカムとは、ひらたく言うと国民全員に毎月10万なりお金を無条件で配りましょうという政策案で今注目されていますが、著者は以下の理由で破綻するといっています。子供がいるだけで収入が増えるので、日本人に国籍変更する途上国からの移民が増える。国籍変更の目的のために日本人と結婚する人が増える。

これに関しては少子化が改善するし、労働人口増えるし、日本の多様化が進んでいいんじゃね?と僕的には思った次第です。

 

その他として

・不都合なことはすべて若者の責任

・守られたおっさんの既得権

・教育の本質は格差拡大装置

・絶望死する白人達

 

等々、教育・経済・容姿にいたるまで様々な格差社会について論じられていますが、実際の統計データーをもとに著者も「おそらくこうなるだろう」レベルで話しをしているので、読みながら色々と考えるキッカケには良いと思いました。事実と意見とをわけて読まないと危険ですので、その辺は要注意かなと思いました。

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