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読書「奪取」真保裕一

久しぶりにチョコモナカジャンボを食べましたが、あんなにモナカがパリパリしてたっけ?島で食うやつはちょっとへばってるのか?今世紀最大のミステリー。

 

ほいで

 

今回紹介する本は「奪取」真保裕一

評価 ☆☆☆☆☆

「カイジ」っぽい展開が面白い!偽札作りに挑む主人公と仲間達

友達がヤクザから借りた金(+α)の保証人として、勝手に主人公の手塚道朗の名前を書いた事が物語の出だし。

主人公は悪い方向に頭の良い人物で、自販機に改造スタンガンをあてて、投入金額の誤認識を起こさせたり、海外硬化を自販機に使ったり、テレフォンカード(今は亡き)の残高をイジったりする等の知識をもっている知能犯。

そんな人物が友達の借金返済のために友達と協力して、楽に大金を生み出そうと努力をします。その方法がダイレクトに偽札作り。

本書では主人公がヤクザや警察から逃れる為に2度名前を変えており、それぞれの名前毎に一章〜三章と分けて書かれています。

ATMを騙せ 〜 第一章 手塚道朗 編

第一章では偽札を作るといっても、ATMを騙せるレベルのものを作るという話し。人間相手ではなく機械相手なら、何のセンサーが何を感知しているのかさえわかれば、それをクリアする紙を作ればオッケー。

そのためにまずは、お札を識別する機械そのものの入手から始めます。田舎のATMをぶっ壊して、中からそれを取るのですが、時間稼ぎのために周辺の電信柱にある変圧器に時限爆弾を仕掛ける等、結構無茶な事をやります。

結果としてお目当てのブツは手に入るのですが、センサーの種類とどうそれをクリアするのかが鮮明に書かれていて、「これ本当の話なら書いちゃいけないのでは?」といった具体的な内容。

このへんの知恵と策略感がカイジ好きにはたまらない。※カイジ知らない人すみません

深遠なる印刷の世界 〜第二章 保坂仁史 編

二章ではATM対策ではなく、機械も人も欺く本物の偽札製作を目指します。

一万円が偽造防止のためにどれだけ工夫して造られているか、それを可能にするためにどんだけの技術力を結集しているのか。勉強になることが多く、紙業界や印刷業界の奥深さを知ることができました。

例えば紙一枚にしても、それを構成する原材料比率や薬液、圧縮や乾燥時間等々の違いがあることを知りました。機械に関しても大量生産のために何十メートルという長さの機械を使うそうです。

原料で一万円に関しては「ミツマタ」という特別な木が使われており、中でも上質なものだけを国が管理して育てているとのこと。

また印刷にしても凸版、凹版、平版という刷り方があり、一万円札にはこれら全てが使われているとのこと。

中でも凹版印刷機は、偽札作り防止のために型番や使用場所等を警察が管理しているそうです。

他にも表面に艶を出す方法等、奥深すぎて文書じゃわからなかったので、度々ググって調べました。

執念 〜第三章 鶴見良輔 編

なんやかんやで仲間達とともに5億円分という偽札作りに成功。しかしそれだけの量の偽札を短時間でどう本物と入れ替えるのか。物語の発端となった、法外な借金を押し付けてきたヤクザ達への復讐は果たせるのか。

そして最後は、、、、やっぱりカイジ的展開。

無理を感じるところが多々ありますが、あくまでドラマだと思って見るのが良い

偽札を作るにあたり、前述した電信柱に時限爆弾を取り付けた事の他に、窃盗、不法侵入、傷害・暴行、器物破損、道路交通法違反等々を平気で連発します。

そのどれにも検挙されずに、本丸の偽札を完成するのは無理を感じました。と同時に、小説にそんな細かい突っ込みをするのも野暮だろうと自戒を繰り返す。

おそらくカイジもまともに読んだら突っ込みどころ満載だと思うので、似たような感覚で読むと良いと思います。

 

以上

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